箱型擁壁カタログ
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13安心な箱型擁壁の設計法:ここが従来の剛体型の擁壁と違う箱型擁壁の土圧計算に用いる定数の考え方(φ、c、γ)【もたれ式擁壁】 通常、大型積みブロックなどの剛体型もたれ式擁壁の背面土は、施工直後には充分に締め固められるが、経年的な圧密沈下と圧縮沈下が発生し、一般的に背面土がルーズとなる。 このため、必然的に土質定数の低下をもたらし、φ・c・γの採用値にも影響を与えている。なお、粘着力Cは地震時の余裕値として考えて、一般的にこの形式の擁壁には用いられていない。【箱型擁壁】 箱型擁壁は、基礎地盤や背面土に空隙が生じた場合にも、一般的な剛体型擁壁とは異なって、その箱体と壁体材が、背面土側にくい込みながら、箱型擁壁の自重で、ルーズになった部分を徐々に抑え込む。このため、背面土の土質定数φ・c・γの低下が抑制される。擁壁背面に作用する土圧は、試行くさび法で算定する。箱型擁壁は、各段毎に全ての壁高で常時と地震時の土圧を算定して、擁壁の転倒・滑動・支持に対する安定性をチェックする。安定計算に用いる背面土の定数は土質試験のデータを参考にして決定する。■箱型擁壁設計法概念図常時と地震時の土圧箱型擁壁の背面土の定数の目安(c、φ)①箱型擁壁の設計に用いる定数は、原則として、三軸圧縮試験(砂質系CD試験、粘性土系CUまたはCU試験)から決定する。②箱型擁壁の盛土部の設計に用いる背面土の目安表の定数は、詳細設計または工事着工までに、必ず現地の地盤調査や土質試験を実施して、当初設計で想定した地盤の強度特性が、現地で発揮されているかどうかを確認しなければならない。③箱型擁壁の切土部の設計に用いる粘着力c上限値の目安は、現場条件によるが盛土部の設計の場合と同様に、土質試験によって得られた値を使用する。④箱型擁壁の設計に用いる定数は、フレキシブルな構造を持つ箱型擁壁シリーズの設計を適用範囲とし、構造特性の異なる他の擁壁構造物に、この定数を適用してはならない。【箱型擁壁協会:箱型擁壁工法 技術資料 設計・施工・緑化manual 平成18年6月改訂版より】【箱型擁壁の設計に用いる背面土の定数の目安表】盛土材料の種類礫質土砂質土シルト粘性土せん断抵抗角φ 35° 30° 25° 20°粘着力C5KN/m210KN/m210KN/m210KN/m2箱型擁壁の設計フローチャート合力通過点試行くさびで想定したすべり線TVTHbTM原点すべり面1127865432345678ω箱型擁壁設計法の詳細はQRコードから確認できます。

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