箱型擁壁カタログ
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15箱型擁壁の基本構造箱型擁壁工法は、箱型形状で底がないブロック(以下箱体)に、S-40前後の単粒度砕石を壁体材として、層状にランマー等で転圧を繰り返し、中詰め裏込め共に充填を行いながら積み上げていく工法です。①壁体材の単粒度砕石は、砕石同士の噛み合わせと箱体内部に発生する摩擦で、壁体がフレキシブルな剛体に変わり、地震や豪雨に耐えやすい構造になります。②箱型擁壁工法は各段に小段部が形成されます。小段部は擁壁背面に豪雨などの影響で、突然湧水が生じても暗渠菅、箱体についた水抜き孔・小段部の順に壁外に排水されますので100㎜を超える豪雨が発生しても安心です。③箱型擁壁工法は斜面洪水の対策に効果的 1)一種の砂防ダムの役目を果たします。 2)異常時の可能性がある地域や、湧水が出やすい場所では暗渠菅の横断間隔を短くすることで異常時の対策とすることもできます。 3)長い時間壁内に滞水したり、基礎内が水浸状態になると、地盤支持力の低下を招きますが、当工法はそのような心配がありません。④小段部は異常な自然災害が生じた際、擁壁機能を保持しているかどうかの判断を行う目安になります。小段幅の縮小や箱体目地の開孔状況など万が一の変状も確認しやすく、事後対策が立てやすい。1.吸出し防止材擁壁背面(単粒度砕石)と背面土の間には吸出し防止材を敷設(ふせつ)し、背面側からの湧水や雨水の浸みだしによる土粒子の流出を防止します。(河川、湖沼、細粒分の多い盛土にはフィルター効果の高い“吸出し防止材ポリフェルト/タフネルEX‐80を使用します)2.単粒度砕石壁体材(単粒度砕石)は、密実に充填されても空隙が必ず生じます、その空隙は雨水や湧水の通り道となって壁内に滞留することなく自然と同様の速度で流れます。一方抗土圧擁壁としての機能(砕石の噛み合わせ)は壁内が水の流れに満たされても変わらず、地震時に耐震性を発揮します。3.土壌の膨張多量の雨水や湧水により背面土の含水比が一時的に増加しても、水は壁内に滞留せず直ちに壁外に排水されるため、水圧上昇に伴う背面土の膨張はなく荷重増加は起きにくい。排水性能が高い理由 3.1.2.排水性能災害時の安全性能の提案ーⅡ1排水される順番

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