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箱型擁壁のしくみ
箱型擁壁の実験 実地震波を受けて

箱型擁壁は、箱型形状をした鉄筋コンクリート製のプレキャスト枠材(以下、箱体という)と単粒度砕石類(以下、壁体材という)を用いた中詰め部および裏込め部からなり、単粒度砕石類の基礎上に箱体を設置し、壁体材を密実に充填して締め固めながら階段状に積み上げることにより、基礎地盤~基礎材~箱体~壁体材~背面地盤の全体で、排水性と耐震性を有した可撓性のもたれ式擁壁として機能します。箱型擁壁は、曲線部や縦断勾配の施工性に優れ、箱体前面の小段に植生を施すことが可能なほか、多様な機能を有しており、環境や景観に配慮した擁壁です。
箱型擁壁には、Lタイプ、Mタイプ、Sタイプの3つのタイプがあります。



箱型擁壁の実験
箱型擁壁のしくみ 実地震波を受けて

箱型擁壁は、隣り合う箱体の上下・左右ともに、連結も大部分を乗せ掛け積みにもしていない可撓性構造のため、箱体に応力集中が生じにくい耐震性能を有する擁壁です。
この耐震性につきましては、財団法人 土木研究センター「箱型擁壁耐震性技術検討委員会」 (平成14年12月~平成15年9月・委員長:日本大学 理工学部 社会交通工学科 教授 巻内勝彦)におきまして、独立行政法人 土木研究所の大型動的遠心力載荷試験装置による振動実験(擁壁高14mの1/40模型を使用)や二次元動的FEM解析(壁高14m・18m)・静的FEM解析(最大壁高22m)等により、定性的な耐震性の評価と擁壁の安定性を検証し、従来の擁壁とは異なる構造特性と耐震性能の結果を得られました。

遠心力振動実験は、箱型擁壁が繰り返して地震動を受ける過酷な条件を想定して、段階的に、連続して加振レベルを上げるステップ載荷で加振を行いました。入力しました地震波の地震の大きさの目安と最大加速度は、次の通りです。

  ステップ1
20~30年に1回程度のL1地震動の最大加速度150gal程度(人工地震波)
      ステップ4
阪神淡路大震災の神戸波の最大加速度800gal程度(実地震波)
 
             
  ステップ2
関東大震災級のL2spec1地震動の最大加速度500gal程度(人工地震波)
      ステップ5
sin波最大加速度500galの50波加振の、現実にはあり得ない地殻変動規模の大きな地震エネルギー(人工地震波)
 
             
  ステップ3
大きな余震動を想定したL1地震動の最大加速度150gal程度(人工地震波)
     
大型動的遠心力載荷試験装置 /(独)土木研究所提供
 

この遠心力振動実験での箱型擁壁は、一般的な擁壁の設計で想定されますL2spec1(最大加速度500gal程度)大規模地震動や、神戸波実地震動(最大加速度800gal)を加振した場合にも、安定計算で求めた設計壁高の約2倍を超えても、擁壁の機能を維持すると共に崩壊に対する安全性が確保されており、十分な地震時の安定性を有することが確認されました。



実地震波を受けて-箱型擁壁の特性
箱型擁壁のしくみ 箱型擁壁の実験

1、箱型擁壁は他の擁壁に比較すると、同じ擁壁高では地盤反力が小さく高壁高の施工が可能です。
2、箱型擁壁は全体が柔構造で、内部に詰める単粒度砕石のインターロッキング効果と内部摩擦角とによって、   均衡を保ち安定を保持します。
このため大規模な地震動では、箱体の水平変位は多少発生しますが、箱体の破壊や転倒は起こりません。


             
  兵庫県南部   三陸はるか沖   鹿児島県北西部  
             
  鳥取西部   芸予地震   新潟中越大地震  
             

新潟県中越大地震は、兵庫県南部地震に比較すると地震規模(マグニチュード)は小さいですが、観測された加速度は異常に大きく、かつ10回以上にわたって激しい余震を伴った直下型大規模地震でした。これからもわが国では、このような大規模地震が起きる事が予想されています。
箱型擁壁協会では、さらに耐震性を高め、安全・安心な擁壁として様々な補強対策を施していきます。



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